料理用の壺を買いました
7月に『亡命ロシア料理』という本を読んで感銘を受けている話を書きました。その本の第1章『壺こそ伝統の守り手』では、以下のように書かれています。
ロシアの作家がみなゴーゴリの『外套』から出てきたように、すべてのロシア料理は壺から生まれた。
また、こうも書かれています。
食べ物は壺で料理されると、昔ながらのロシア料理の精華につきものの、あの柔らかさと繊細さい、そして気高い香りを獲得することになる。
つまりロシア料理のエッセンスを十分に楽しむためには、壺がなくてはならないものである、と。なるほど。では壺を買うしかない。
これはそういう記事です。
壺をどこで購入したらよいか?
さて、壺の購入を決意したはいいものの、そもそも壺ってなんでもよいのでしょうか。楽天で「料理 壺」で検索すると梅干しやら砂糖やらを入れておく壺はでてくるものの、これって天火にかけてもよいものなのでしょうか。そういえば神保町に『ろしあ亭』というお店があり壺シチューを食べたことがあるのでその用途の壺を見たことがあるけれど、梅干し壺のように大きくはなかった気もします。また、日本でそういう壺って需要はあまりなさそうな感じがしますが、検索しているサイトは楽天で正しいのか……?
ちょっとわからないことだらけなので「ロシア料理 壺」とかでググってみます。すると以下の記事が見つかりました。
この記事によると「eBayで壺を探した」とあります。たしかに日本だけで調べてるとでてこなさそうなのでeBayはよさそうですね。とりあえずアカウントをつくって (ここでブラウザではなぜかユーザページのリンクが絶対にクリックできない・反応しないなどのハマりがありましたがiOSアプリ上ですべてを行うことで解決しました) "russian pot" で検索してみます。すると芸術的な壺の数々。これはアンティーク的な意味での壺。では "cooking pot" で検索してみると、件数がそもそもでてこない……。それでも検索結果を1つ1つ確認し、それっぽい壺を1つだけ見つけたけれど品切れ。ただ、収穫はありました。「料理用の壺」は英語で "baking pot" というそうです。なるほど! そうして "baking pot" で検索をすると出てくる出てくる! 見ているとウクライナのお店が出品している壺がよさそうでした。あと、耐熱温度が書かれており、なるほど、やはり耐熱な壺でないと割れたりするんでしょうね。
と、いうわけで2週間待って届いたのがこちらの壺です: https://twitter.com/sin_clav/status/1425274764814213131
いい壺ですねー。しあわせですねー。
壺シチューづくり vol.1
というわけでいい壺が手に入ったのでこちらのレシピ きのこのつぼ焼き|レシピライブラリ|旭化成ホームプロダクツ で壺シチューをつくってみました。
こんな感じです。
すごくおいしかったです。
壺シチューづくり vol.2
さて、ここで『亡命ロシア料理』に戻ります。そこには以下のような記述があります。
また、壺に骨を抜いた魚の切り身を入れて、卵と牛乳をまぜて注ぎ、ディルをたっぷりと (半カップ) 振りかける。そして三十分すれば、花嫁のように柔らかな魚を食卓に出せる。
おいしそうですね。すごくこれを食べたいです。ロシアといえばおそらく淡水魚なのでしょうがそれは手に入らないのでここでは鱈の切り身を買ってきました。ここでいうディルはスパイスのディルシードではなく葉っぱのほう。お店になかったのでとりあえずタイムの葉の乾燥のやつで我慢し、用意しました。あと適当に塩胡椒を入れました。
ちなみにこの料理は失敗します。こんなにおいしそうな見た目なのに…。敗因はおそらくこの2点です。
- 上に書いた以外に、ほんとうに何も入れなかったこと
- オーブンの温度を間違えたこと
- 正: 190度で30分
- 誤: 120度で30分
上に引用した魚のレシピの前には牛フィレ肉の壺シチューのレシピが、ソースづくりのことも含めてしっかり書いてあります。これを怠った、というか勘違いして切り離して考えてしまったため、味がすさまじくさっぱりとしたシチューになってしまいました。そもそも鱈が淡白な味だしうま味的なものはいっさい入ってないので、さもありなんという感じです。vol.1ではサワークリームを煮つめていたしコンソメの素も入れてたので、味つけはばっちりでした。
オーブンの温度は、前回のレシピを確認せずにうろおぼえでセッティングをしたためです。すごくぬるくて、卵も固まってなくて、お腹こわさなくてほんとうによかったです。慣れないうちはレシピうろおぼえで料理をするとこういうひどいめにあうという教訓ですね。そろそろこういうの卒業したいところです。
感想
こんどこそ壺でしあわせをつかむぞ。